猫に教えられた100のこと。 (1)猫は甘やかして付き合いましよう。

(2)猫は甘やかして育てます。

犬は甘やかして育てるとバカになります。どうしようもない手のつけられない犬になってしまいます。

 しかし、猫は可愛がれば可愛がるほど賢くなる。これは本当です。猫も野放しだと気性の荒い、すぐ人を噛んだり引っ掻いたりする問題猫になります。だから、毎日必ず撫でてやりましょう。猫のゴロゴロを聞くのを習慣にしましょう。ゴロゴロは母親を思い出しているのです。

 アメリカやヨーロッパでは生後最低六ヶ月は、親から離して売買してはならないと言う厳しい法律があると聞きます。親猫は人間との付き合い方、猫同士の間の取り方、危険な動物とそうでないものの区別を子猫に教えます。

 それに何より子猫には母親の愛情そのものが不可欠なのです。これは人間と同じですが、その愛の深さは人間以上です。にも関わらず親離れ、子離れの見事さは人間がお手本にしたいくらいです。人間は二十歳過ぎた息子の犯罪の尻拭いを親がし、世間がそれを糾弾する。本当に猫に恥ずかしいですよね。

 猫の一生は人間よりずっと短い。飼い始めて、あっという間に別れの時がやってきます。だからせめて、せめて一緒にいる間は思い切り可愛がるのです。やり過ぎくらいがちょうどいい。短い一生を過剰に可愛がっても、決して心残りが少なくはなりませんが。

 でも、できる限りのことをしてやった(自己満足ですが)ことで後悔はしない。それしか死にゆく猫にしてやれることがないのが辛いのです。せめて生まれて来てよかった、この人に飼われてよかった、と最後の瞬間に思わせてやりたい。

 私はこれまで飼って来たどの猫にも、「ウミちゃん大好き!」と耳元で口癖のようにささやいてやりました。猫には確実にそれがわかります。私がいないと、恋人を探すように鳴いて家中を探します。

帰宅すると「どこ、どこへ行ってたの!」と文句を言うように喉ならします。

 そのあとは寝転んだ私の胸の上に寝て、ゴロゴロをしばらく続けます。私はすぐ目の前の猫を見ながら、いずれこいつとも別れの時が来るのだと思います。愛猫八匹の死を経験すると、そう考える習慣がついてしまうのです。本当に耐えられない瞬間を何度も経験しております。人間との死も猫の死も、私は愛するものの死と言うことで同次元で考えています。両親の死には涙を見せなかった私が、猫たちの死にはどうしても涙をこらえらえることが出来ない。

 今いる猫にできる限りの、本当に最大限の愛情を注いでやりましょう。私の飼っていた猫たちは、みんなそうした体験をして死んでいきました。一匹一匹を思い出すたびに涙ぐんでしまう。
他の人がどう思おうと、それが私の猫に対する愛の作法です。

猫は裏切らず、その愛を確実に受け止めてくれます。最後の時に「本当にありがとう」と言っている彼らの声が聞こえます。