「猫日記」愛しのウミといた時間

4-27

朝、私が家を出るとは、猫のウミはまだ寝ていた。

私のベッドの上だ。

今日は珍しくウミと喧嘩をした。

私がテレビを見ていると、ウミも横に座って見ていた。

なんの番組だか忘れたが、つい夢中になって私は無意識で右手で指に触れた毛を丸めていた。

誰でもよくあることだ。

ついテレビに吸い込まれ、指に触れた毛を色々いじくって二つに折り畳んだ。

途端に、横のウミが両手の爪で私の手を抑えた。

半ば本気だったのでもの凄く痛かった。

驚いたのなんの！！

ウミは私を見上げて睨んでいる。

「

痛いじゃないか！！」

私はついきつい声でウミに言った。

「こっちの方が痛いわよ！」

指に触れていた毛は、ウミの尻尾だったんだ。

それにしても、何も指の皮が剥けるほど引っかかなくたっていいじゃないか。

でも、毛に触れてから随分時間が経って引っ掻いたから、その間ウミも我慢してたんだ。

それが彼女の尻尾だと気づかないこっちが悪いんだけど。

「ほら、指の皮むけたぞ！」

血は出ないけど、少し皮がむけている右手の人差し指をウミに見せた。

「フン、なんだ、そんなもん！こっちは尻尾おられるとこただったんだ！」」

て顔をしてウミは憤然とリビングを出で行った。

「ウミちゃん、どこ行くの」

声をかけてもウミは振り向きもしない。

廊下をトコトコと寝室へ向かう。

「ウミちゃん、ウミちゃん！」

いつもは廊下を行く時、声をかけるとウミは必ず振り向く。

けど、私の声に向き振り向きもしないで歩いて行く。

ウミはいつも、横になりテレビを見ている私の脇に寝そべる。

私は背中を撫でてやる。

ゴロゴロ言ってウミはご機嫌だ。

今日はついテレビに夢中になって、ウミの長いイーシ尻尾が私の手のそばにあるのを忘れてた。

それをもてあそんでたのは、明らかにこっちが悪い。

だけど、いきなり引っかかなくたっていいじゃないか！

わざとしたんじゃないくらい、ウミにもわかるだろ。

廊下を行くウミは、今日は完全に私を無視している。

彼女は本気で怒ってる。

尻尾を見れば分かる。

歩きにながら、長い尻尾を左右に激しく降っている。

犬は嬉しい時に尻尾を振る。

だが、猫は興奮した時に尻尾を振る。

猫が横に尻尾を振ってる時は要注意だ。

その日はウミは私と添い寝せず、仲直りしなかった。

ウミはアメショーだ。まだ野性味が残ってる種類だから十年以上一緒に暮らしてても、予測のつかない行動を取る。

でも可愛い！可愛くて可愛くて、こっちはとろけそうだ！